(とうとうあん)広告
幽玄の世界へ
 睦橋通りを五日市方面へ向かっていくと、小川交差点のすぐ右側に燈々庵がある。
囲炉里辺の味、安らぎの里として著名な「黒茶屋」の姉妹店で、4年前に開業した懐石料理とギャラリーのある日本の伝統を肌で味わえる店だ。
 熊野神社に隣接した旧家の門が燈々庵の入り口である。どっしりした門柱。古びた木質に古来の日本人の暮らしを感じる。細くうねった踏みあとのような道が草木に囲まれる中に続く。心細いまでの侘しさを覚えて、歩むと手入れのされた庭園が目前に拡がり、右手に燈々庵の古蔵を改築した建物を見る.。
 叢に抱かれた、この異空間に一瞬時を忘れ、懐かしい想いがこみ上げるのは、何気なく置き忘れた日本文化への哀愁であろうか・・・・。
伝統とモダンが交差する異空間
 店内に入る露地は、ひっそりした裏手に佇んでいる。
寂れた空間に失われた感性を呼び起こす空気。静寂と止まった時間に至福を想いを覚えてから、ゆっくりと店内に入ることにした。
 ギャラリーは企画展と常設展が随時催されている。
古めかしいインテリアの中に、モダンなアートが似つかわしい異次元の空間である。人間の創造力、伝統に安堵する心と日本人の誇り。
生活感を超越したたたずまい。心の居所を教えてくれる癒しの空間。
店内はオレンジの光の各所に輪を描きながら、来客者を静かに迎えてくれる。
 女性の目線に合わせてしつらえたモダンな椅子。重厚なテーブル。
自然と共存する材質にこだわり。日本のしつらいの妙味、歴史を回顧する本物の調度品が静かに置かれている。
 200年前の李朝の台。何気なく置かれた2000年前の中国の香炉。桃山時代の燭台・・・。作家ものの陶器にのせられた贅沢な料理。時を忘れ、眠っている美意識がよみがえる時間を楽しむ。
 大人の女性が美しくなる店。全国からファンが集まる店の秘密は緻密な演出と日本文化を愛するアートなオーナーの和を残したモダニズムの実践力であろう。
  
愛する人を伴って訪れたい、それが燈々庵である


            
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