自然をみつめる刺子作家の館
銀座亜紀枝
刺子館
檜原村南郷

新潟県牧村から移築した
大庄屋屋敷

銀座亜紀枝先生は
自然派の粋な女性
刺子と手縫い服の「草分け」作家

 日本が高度成長時代の頃、フジTVで「3時のあなた」という主婦に人気のワイドショーがあった。「刺子館」の銀座亜紀枝さんはこの番組に出演したり、マスコミ取材に追われる”時の人”であった。
 四国は愛媛県八幡浜市生まれ、女子美大で染色と織物を学んでのち日本大学大学院芸術学研究科を中退する。
 結婚して、一男一女を授かったがのち離婚。八王子で自然堂「むぎめし茶屋」を開店し、刺子と手縫いの服に取り組むようになる。四十路を越えてからの作家デビューであったが、自然食哲学家桜沢如一氏(故人)の薫陶を受けた亜紀枝さんは、よりナチュラルな生活様式と、彼女の眠れる才能を開花させていくことに・・・。
3階建ての建物は200坪の広さと欅の大黒柱9本が支える見事な造り 刺子のきめこまやかな美しさは日本人女性の魅力にも通じるもの 大切にしている大座敷
何も置いていないのが自慢

「もめんの女」が描く昭和エレジー


1993年に移築した民家は
亜紀枝さんのライフスタイルの
集大成。衣・食・住の文化だ
たくましい梁に守られながら刺子の手縫服が展示される

亜紀枝さんの著作本
「もめんの女」が全国に伝わる

 亜紀枝さんは「もめんの女」と呼ばれている。自然堂で「もめんの店」を開店したほか、自由律俳句を出版。男と女の切なく、情感ある世界をクレヨン画と独特の俳句でセンチメンタルに描いた。亜紀枝さんは、こちらの世界ではばたきたいと考えていたが、ブレイクしたのは刺子の草分け作家としての評価で、銀座、赤坂や全国に展覧会が開かれ、「ノンノ」などの雑誌紹介、百貨店の出展など、著作本出版などの華やかな時代を迎えることになる。
 自然の中で、江戸時代の手斧造りの家敷を住居兼の刺子館として運営する亜紀枝さんは銀座をはじめとするアトリエや、刺子教室のオーナーでもある。
 今日、関東から関西まで9店舗ある。本藍染、草木染の布や糸を使った刺子は、全国にファンが多い。刺子は、古来火消しの服や道具のように布地を補強する目的のものであったが、日本文化を伝える模様や斬新なデザインを創る、旧き技法にして新しい家庭文化を楽しむのも豊かさの追求であろう。

 〜メモ〜
   営業時間 AM9:00〜PM5:00 
   入館料800円
   定休 毎週水曜日 卸売は土・日・祝
   直営は全国に9店舗
   刺子教室は銀座、あきる野、さいたま等に。
 前ページへ